2013年4月13日土曜日

「悪い子」と言われると、悪い子に育つ






◇暗示はどっち側にも響く


親から「あなたは良い子ねぇ~」と言われて育つと、良い子で居ようとする。
良い子というラベルを親から貼ってもらったから、そのラベルに合わせて「良い子の自分」という中身も作り上げていく。
(ただし、良い子でいるために子どもとして自然な欲求を抑えてしまう危険性もある)


そして、「良い子ね」といわれ続けた子が「良い子」であろうとするならば、その逆もある。


ばかみたいな話ではあるが、
「あんたは悪い子ね!」といわれ続ける子は
「悪い子の自分」を保つために、「悪い事しての振る舞い」をして、「悪い子」という評価を与えてもらって自分を「悪い子」として固定化しようとしていく、、、らしい。。













 

 

■否定的な言葉ばかりかけない





多くの子ども達に自己肯定感が無い。
「自分なんて嫌い」という。

何が子ども達をそこまで追い詰めるのか。




その原因で最も大きいのが、「子どもに否定的な言葉ばかりかける親」の存在です。

「どうしてあなたは○○できないの!」「何度言ってもわからない子ね!」「あんた、バッカじゃいの!」
とどめが、「あんたなんか産まなきゃよかった!」


親から繰り返し言われる否定的な言葉は催眠術のような効果、つまり暗示効果があるのです。




だから、「どうして何度言われてもわからないの?」と親から言われ続けると、
子どもは「そうか、自分は何度言われてもわからない子なんだ」と暗示がかかって、
そのとおりに、「何度言ってもいう事を聞けない子ども」になってしまいます。


「バッカじゃないの!」といわれ続ければ、子どもは「そうか、自分はバカなんだ」と思い、
勉強をしなくなってしまうかもしれません。



親としては何気なく言った言葉かもしれませんが、子どもの心にはダメージが蓄積されていくのです。










 


■「悪い子の自分」という役割で安定


「男の子は身近な男性をモデルにしてアイデンティティを形成する。
 で、息子さんがモデルにするのが怒りの矛先を自分に向ける彼の自虐的なスタイルですよ。
 それはつまり、悪いことをして叱れる、という今の息子さんのスタイルと裏腹な関係にあります。」
「息子さんはすでに叱られるためにあえて悪いことをする、という大人との自虐的な関係性の中で生きているんです。
 恐らく息子さんは「僕は叱られる子なんだ」という自己信念を作りかけている。」






「うーん、叱られるのは、イヤだと思うんですけど…」





「ううん。息子さんは叱られるのが当たり前だと思っているんです。叱られることによって安定する。
 叱られて、泣いて、親や教師に「おまえはうそつきだ」と何度も念を押されて「僕はうそつきだ」と再確認する。」
「そして、そういう不安定さのなかで安定してしまう。」








「でも、叱ると泣いたり起こったり、とても安定しているようにはみえないのですが…」









「もちろん、安定には見えません。 ”するなするな”と言われ続けると、
  その”するな”といわれたことに対して、自分はするんだ、する子なんだと自分に言い聞かせていることになる。」
「嘘や悪いことを”するな”と言われれば言われるほど、禁止されたことを能動的にやるかのように繰り返す。」











「うーん、その「するな」といわれていることが反転してしまう仕組みが、いまいち分からない。」









「日々、怒られる。で、この「繰り返し性」が強化されていく。」
「”自分は悪い子”なんだ、”自分はうそつきなんだ”という自己像を補強していることになります。」








「その自己像は学校で”うそつき”と言われることでも補強されてしまっているんですか?」





 
「そうです。嘘つき、といラベリングをされると自分でもそのラベルを見ちゃうんです。」
「”あぁ僕は「嘘つき」なんだとね。”」
「で、半自覚的あるいは無自覚的に嘘つきな自分を証明するかのような行動をとらざるを得なくなる。」

 
 




「どうして、嘘つきのラベルが嫌だから、嘘つきのラベルを剥がそうとしないのでしょう?」





「いったんラベリングされると、払拭できるものだという発想が生じにくい。
 子どもは、貼られたラベルが正しい、と納得するしかない。
 そのラベルを疑わないまま成長すると 大人になっても同じことが起きるでしょう。」


(ファミリー・シークレット 柳美里 講談社)









※特に料理上手なわけではないのに、美味しいと褒めてもらえると、「わたし美味しい料理作れるようになる!!」と誓う。女も単純です。

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