■失敗を許さない大人たち
人には間違える権利がある。
自分自身の体験(=失敗)から実感してこそ意味がわかることがある。
「健康は宝」
「人生に意味は無い」
「愛より金」
人生のピークを終えた老人たちがさもシタリ顔で吐くセリフ。
教訓めいて若者に説いてみたところで、若者にはまったく響かない。
なぜなら、言葉の意味に伴うような経験を若者はしていないから。
ご老人たちは、親切心で自分自身の経験から学んだことを教えてくれようとしているのかもしれない。
しかし、だ。
言葉というのはある人の経験値によって染み渡る深さがまったく違うことを老人は理解すべきだ。
「だからあのとき、俺が言ったじゃないか。
なぜ言ったとおりにしなかったんだ」
人間には間違う権利がある。
たとえダメージを負うとわかるような場面においても。
経験が伴わない有難いお言葉を老害と呼ぶのだろう。