2013年2月28日木曜日

ショートカットという意思表明


◇女性にとってショートで生きるということ

今ではセクハラ認定をされる発言かもしれないが
古い人間は「女性が髪をばっさり切る=失恋」という方程式が頭の中にある。

だけど、ちょっと大人になったので、失恋だけでなく、もっと大きな意味での転回期を迎えているのだろうなぁーと仮説を立てられるようになった。

そのことを備忘録的に。


 

■ショートは誤魔化さない覚悟


『ショートは、自分に厳しくいられる。
 困っても髪を触れない、太ることが出来ない、
 肌をきれいにしていなきゃいけない、
 少しでもおしゃれに気を抜いたら一気に垢抜けなくなる、
 髪の長さ分のセクシーをどこかで決めなきゃいけない』


これは、ある女性から聴いた話。

男性はロングヘアの女性を好む傾向にあると思うけど
ショートの子が、なぜショーカットという自己表現をしているのか
という事を男性達は全く分かって居ない!

外見という形には女性がどういう生き方をしたいのか?という
意思表示というメッセージが含まれている。

それなのに男性はすぐに、カワイイだとかキレイだとかセックスだとかというか
目の前の事に集中して背景を考えない生き物なんだね…と
ちょっと悲しそうだった。



 

■ショートカットは永遠のヒロイン


勝手な持論として
ショートカットで白のワンピースが似合っていたら
その女性は間違いなく可愛いし美しいって思ってます。


少なくとも外見でということですが、外見が示すその人の情報って言うのは
結構重要だと思っています。

シルエットというか醸す空気感とでも言えばいいのでしょうか
ショートで白ワンピが”絵になる”女性って
柔らかで温かなイメージがあって、ちょっと小悪魔な奔放さも兼ね備えているなぁという イメージ。

(これは恐らくビーチボーイズの時の広末さんがモデルとして
 色濃く僕の印象をつかさどっている体と思われる)


そして、男性の僕には到底理解できないのだが、
周囲の人からの評価も自分にとってもロングの方が
総合的にはメリットがあるらしい。

短い方が髪洗ったり乾かす時間が短縮されるし
結う時間も少ないだろうからいいんだろうなぁという
男性的な短絡的な考えは通用しない。


何よりも、「髪を触ることで安心できる落ち着ける」というのは男性が困ったときに後ろ頭を「ポリポリ」とすることの
何倍もの効果があるのだろうと思われる。



 

■髪の毛=変装の道具


少し表現が稚拙なのかもしれないが
恐らく女性にとって「長い髪って言うのは男性で言うところのヅラ」なんだろうなぁって思う。

隠せる部分は隠せるし ある意味でダマせる、演じられる。


だとすると、ハゲたとしてもズラを使わずに
ハゲた部分を隠さない、あるいはスキンヘッドで通している中年男性が持つある種の爽やかさが
ショートを選ぶ女性達も、持ち合わせているのではないかと思った。


「私は私で生きていくよ、誤魔化さないよ」という意思表示が
ショートカットの女性には強い傾向にあるのかな


そういえば、ショートカットの女性はどこか凛々しさがある。
ロングよりもメリットの少ないショート選ぶ女性の覚悟、意思表示を
どう受け取るか。



考えすぎかもしれないが、ショートカットを選ぶ女性は
社会への抵抗と挑戦の証なのではないと思った。

 


■「女性らしさ」「これだから女性は…」

常に「女性らしさ」を求められながらも、「だから女性は…」という部分を男はすぐに使う。
こういう攻撃をもっとも回避できる確率が高いからだろう、男社会で生きている女性はショートカットだ(政治家とか看護師長とか)

なーんか、応援したくなるんだよね。



■美容室=自傷行為室

ちなみに、髪の毛について考えたときに思い出した小説の一節ああったので、これを紹介して終わりたい。
ロングの方がメリットがあるということを上述したが、その究極のメリットは「髪の毛は血の通っていない自分の一部」ということらしい。



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髪を切ってさっぱりなんていうと穢れを払ったようできこえはいいけれど、本当はただの自傷行為だ。
過去のしみついた自分をざっくり切り落として
新しい自分に生まれ変わりたいと強く願っている。
つまりいままでの自分を全否定している訳で髪を切るというのは日常的な行為に思えても、
実は非常に大きな自己否定でもある。
変わりたいと強く願いそれを実行するのはいままでの自分を殺してしまいたいという願望の現われ。
髪に血が通っていないことで助かっている女の子はいっぱいいる。

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(かわいそうだね? 綿矢りさ 文藝春秋)

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