2013年7月12日金曜日

Dr.House Season4 #3 突き刺したナイフ ~97 Seconds~


電動車椅子の青年トーマスThomasが介助犬フーバーの助けで横断歩道を渡っていると、突然意識を失い車に轢かれそうになる。









○個人的テーマーー怒りは自分の問題によって湧いてくるものである






(患者の病室にて)



Thomas:
I thought melanoma was skin cancer

黒色腫は皮膚ガンじゃなかったのか




Wilson:
Technically, It's cancer of the pigment cells.
The same cells that give your iris its color.

正確には虹彩の色を決める色素細胞から発生するガンだ。





Thomas:
cancer?why not?
What eles can God throw at me ?
ガンか。神はなぜ俺ばかり苦しめるんだ



House:
Hail,locusts, smiting of the first born…
All depends on how evil you've been.

雹、イナゴ、初子の死も全て神の裁きだ。
つまり行いが悪いからバチがあたったんだろ。






Wilson:
House

やめろ






Thomas:
if it's cancer, it's spread everywhere,right?
That's what's in my lungs ?
My kidneys ?


ガンなら俺の色んなところに転移しているのか?
肺や腎臓にもガンが





Wilson:
There is a chance , by removing the eye,
to get the primary tumor and three courses of radiation,
that could...

望みはある。
目の原発部位を摘出して放射線治療を3ターンすれば、もしかすると…





Thomas:
Could what ?
A few months ? Years ?

それで、数ヶ月か数年持つのか?






Wilson:
More likely months.

数ヶ月ってとこだろう。




Thomas:
And of your other doctors have any cheerier diagnoses?
If they do , they're wrong.
This is the answer.

もっと希望の持てる診断をする医者はいないのか






House:
It's the only way to help you.

居ても間違いだ。あきらめろ。これしか道は無い







Thomas:
I already can't walk.
I can't eat.
You're telling me that the rest of my life is in this bed ,
puking and pain ?

俺は歩くことも出来なかったし、いまは食べることも出来ない。
寿命を延ばしたとしても、このベッドで痛みに耐えるだけの人生だ。









Wilson:
we can manage the pain.

痛みは和らげられる。





Thomas:
I'd rarher just get this over with.
I've been trapped in this useless body long enough.
It'd be nice to finally get out.

もう何もかも終わりにしたい。
この役立たずの身体に長いこと縛られてきた。
もう解放されたい。
やっとこの身体から抜け出せる。



House:
Get out and go where ?
I mean , you think you're going to sprout wings
and start flying around with the other angels ?
Don't be an idiot.
There is no "after".
There's just this.


それでどこに行く!?
羽が生えて天使と飛び立てると思うか
死後の世界などない、あるのはこの世だけだ







Wilson:
House!

やめろ!!








(ハウスは病室を出て廊下に向かう。ウィルソンはそれを追う)






Wilson:
You can't let a dying man take solace in his beliefs.

死を控えた患者から夢の世界まで奪うのか!?




House:
His beliefs are stupid.

バカな夢だ。信じても救われるわけがないだろ






Wilson:
Everybody lies.
Some for good reasons, some for bad.
This would have been a fantastic reason to lie.

嘘も方便だ。
良い嘘もある。
今こそが良い嘘を使う場面だろ







House:
Hi.Greg House.

(ウィルソンに握手を求めて)嘘つきのハウスだ






Wilson:
Why can't you just let him have his fairy tale ?
If it gives him comfort to imagine beaches and loved ones and life outside a wheelchair...

最後に患者に夢の世界くらい見せてやって何が悪い?
ビーチに昔愛した女、車イスから解放された世界が慰めになる。






House:
Are there 72 virgins , too ?

72人の処女もいるか?







Wilson:
It's over
He's got days,maybe hours left.
What pain does it cause you if he spends that time with a peaceful smile ?
What sick pleasure do you get in making damn sure he's filled with fear and dread ?
かわいそうに。持って数日か数時間かもしれない。

それなのに、君のせいで心安らかに逝く事もできないだろう。
それともなにか、君は患者に恐怖や不安を味あわせたいのか。





House:
He shouldn't be making a decision based on a lie.
Misery is better than nothing

あいつは嘘を信じて治療を拒否したんだ。
あの世なんてものはない






Wilson:
You don't know there's nothing.
You haven't been there.

行ったこともないのになぜわかるんだ?ないって



House:
Oh,God,I am tired of that argument.
Idon't have to go to Detroit to know that it smells.

もうその話題はたくさんだ!
デトロイトの悪臭はそこに行かなくてもわかるだろう!




Wilson:
Yes.Detroit, the afterlife , same thing.
そうだな。デトロイトもあの世も、同じだな。






Alanis Morissette - Not As Weが流れ始めてハウスとフォアマンは正しいと思うことに取り掛かる。



*****









この抜粋した場面は人間心理を的確に表していると思ったので、少し記録しておきたい。


特に下記のやりとり。
ハウスがなぜ患者にきつく当たったのか?
患者に冷たくあたることはハウスの常だけど、ハウスの個人的な感情を思いっきりぶつけるのは稀なケース。

Thomas:
I already can't walk.
I can't eat.
You're telling me that the rest of my life is in this bed ,
puking and pain ?

俺は歩くことも出来なかったし、いまは食べることも出来ない。
寿命を延ばしたとしても、このベッドで痛みに耐えるだけの人生だ。








Wilson:
we can manage the pain.

痛みは和らげられる。






Thomas:
I'd rarher just get this over with.
I've been trapped in this useless body long enough.
It'd be nice to finally get out.

もう何もかも終わりにしたい。
この役立たずの身体に長いこと縛られてきた。
もう解放されたい。
やっとこの身体から抜け出せる。





House:
Get out and go where ?
I mean , you think you're going to sprout wings
and start flying around with the other angels ?
Don't be an idiot.
There is no "after".
There's just this.

それでどこに行く!?
羽が生えて天使と飛び立てると思うか
死後の世界などない、あるのはこの世だけだ









■人間は自分が我慢(努力)している事を他人が放棄することを許せない



私が思うに、ハウスは患者が許せなかったのだとおもう。
ハウスは痛い足に毎日耐えて必死に生きているのに、
不自由な身体と向き合うのをやめて「死なせてくれ」と懇願した患者が許せなかった。
自分が不自由な身体に耐えて生きているのに、そして楽になることを望んでいるけど言葉にはせずに毎日ごまかしながら生きているのに、
目の前に居る男は、その言葉を平然と放った。
それを許せなったのだ。





投影とか転移という心理学の事があてはまるのかもしれない。

誰かへの怒りを感じた場合、多くは実は自分側の問題が大きく影響していることを私達はしっかりと理解しておくべきだ。
その自分側の問題によっておきているはずの怒りについて相手のせいにして相手を傷つけるのは人間の性といってもいいことだけど、それをやめるには、
自分の問題なのか相手の問題なのかを、よく考えておくことだと思う。

ハウスよ、死が決定した患者に怒りをぶつけたのは、患者の落ち度ではなく、あなたが痛みに耐えていることへの怒りによって生まれた怒りが爆発しただけなんだよ。
だから、患者は悪くない(笑)






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