2012年11月1日木曜日

境界性人格障害 どう接する



Q.43歳女性

境界性人格障害と診断された友人女性との付き合いに悩んでいます。
個人攻撃がひどくなり、怒ると「見捨てないで欲しい」と泣かれます。

どのように接するべきでしょうか



A.大野裕 国立精神神経医療研究センター認知行動療法センター長


境界性パーソナリティ障害は、気持ちが動揺しやすく、人間関係が不安定になったり、自分を傷つけるような行動を繰り返して、生活の支障が出たり本人が苦しんだりしている場合に診断されます。

その人の気持ちの動きや行動の特徴をみながら診断しますが、その特徴が一時的に現われているのではなく、思春期の頃からずっと続いていることと、類似した場面だけでなく、多くの場面で見られていることが前提になります。



境界性パーソナリティ障害の治療は、うつや不安が強い場合はには症状を和らげるために抗うつ薬や抗不安薬などを使います。
動揺しやすく傷つきやすい性格には、つらさに共感しながら、直面している問題を解決する力を育てるカウンセリングが役に立ちます。

パーソナリティはすぐには変化しませんが、年単位で治療を続けると、徐々に変化して、性格の特徴は残っても、大きく動揺することは減ってきます。





境界性パーソナリティ障害の人は気持ちが動揺しやすいために、周りの人が対応に苦慮することが多いのですが、
それだけつらいのだということに共感しながら、直面した問題を自分の力で解決していけるように手助けしてください。

しかし、問題を解決するのはあくまでも本人です。

また、ご質問の場合のように、気持ちの動揺が激しい場合には、主治医に相談するように進めていただくのがよいでしょう。





※一度、治療を勧めて、「私は病気なんかじゃない!!」って感情が起伏した場合には、距離を開けるのも一つの得策。それは決して、人間味が薄い人という意味ではない。





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