2013年4月13日土曜日

「心を守ってもらえない家系」は連綿と…








ーー症例

23歳女性
(統合失調、躁うつ、摂食障害、OD、共依存etc)
の自殺未遂から一夜明けての自己分析、の一部から症例分析。



















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昨夜、自殺未遂を致しました。

ハルシオンを数十シート、レキソタンも数十シート、エビリファイ1シート…。
それをお酒で流し込みました。


死ねないって解って居たから、煙草喰べて、お餅が有ったのでこれだ!と思ったが父親に留められた。


9階から飛び降りるのが確実だな、と想い飛び出そうとしたら止められ施錠された。


初めての彼氏はDV。
毎日殴られ蹴られ首絞められ、過剰な束縛、無理矢理の性行為、など…。
別れを告げたらストーカー化されました。


毎日学校や家の前で待ち伏せされ、インターホンで死んじゃえ!と叫んだら次の日ナイフを持参し、だったらお前が殺せと言われました。 だけど出来なくて、逆に私が殺されそうになりました。

最期にはレイプをされ、中に出され、絶望。






アフターモーニングピルで妊娠は免れましたが、レイプがバレて母が言い放った言葉…
“その程度で済んで良かったじゃない”


その程度…?
どんだけ辛かったか解ってんのかよ…。
殺されて居た方がマシだった。










両親のW不倫が発覚した。
毎日喧嘩の嵐。
家の中滅茶苦茶だったり、父親を締め出したり。

私は免疫有りそうだったからと云って証拠の品全部見せられて。
「あんたが居るから離婚が出来ない」とも言われました。
とてもショックだった…。



母も母で、メンタル気質があると思うのですが、それは人を攻撃する形でしか…。
と、父は優しいし理解のある人なので言ってくれました。


母にも通院を勧めて下さると幸いです…。





母親も私と同じ育てられ方をされてきたらしく、泣きながら御免ね…と云われました。
虐待の連鎖。





私には遠距離の彼氏が居るのですが、共依存に陥っています。
彼氏もメンタル持ちなので…。
壊れて仕舞わないか不安。


そして私はセックス依存症で、誰かと繋がっていたい…愛されていると感じたい…
例えそれが、偽りの愛だったとしても。





セックスではないと愛情を感じ取る事が出来ないのか、過去に不特定多数としてしまいました…。
今は遠距離だから出来ませんが…。

昨夜、私は自殺未遂をしました。
強迫観念にかられて、何かしていないと落ち着かない、同じく病んでいる人の話を聞いて同調してたら堕ちちゃったみたいで…。

同時に親を殺そうとしたらしく、…覚えてないのですが、だったら私が自殺するね、と言い薬とお酒いっぱい飲んで、煙草そのまま喰べたりしていました…







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■親子の境界線の破綻



親との子の境界線が引かれていないと、子どもが背負うべきでない荷物を背負うことになる。

親が子どもと、まるで友人や仲間であるかのような関係をつくることがよくあります。
子どもを自分の同盟相手とみなすということは、親子の境界が存在しないという事です。
そして、子どもの年齢にふさわしくないことまで知らせてしまうのです。

不適切な情報を与えられた子どもは重荷に感じ、罪悪感さえ味わうこともあります。
これはフェアではありません。
10歳の娘に「あなたのお父さんは浮気をしたのよ」と話すことは、
子どもの安全を損ないます。

また、「お前が居るから離婚できない」というのは、子どもからしたら理不尽極まりない理由ですが、子どもは大人の世界の事が分からないので「私が存在していることがお母さんを不幸にするんだ…」と何の罪も無いのに強烈な罪悪感を植えつけられてしまう。




境界のゆがみや混乱が起こっていたり、はっきりした境界が存在しませんでした。

それは見捨てられ体験を引き起こす元にもなります。


母親はそのことを誰かに話す必要があるかもしれませんが、
その相手はおとなとしての能力があって適切なサポートや助言が出来る人であるべきです。










 


■被害者なのに責められる心のダメージ




トラウマ体験後の様々なかかわりの中でさらに傷つけられることを
「二次被害」「二次トラウマ」などと言います。


典型的な例としてはDVの被害者が
「もう少しご主人を立ててあげればよかったんじゃないの」
「あなたが相手を怒らせるようなことを言ったのね」などといわれてしまったり、
性被害に遭った人が「これからは遊びを慎むことだね」などといわれたりする、というものがあります。


すでに「自分、身近な人、世界への信頼感」を見失っている人にとって
自分が傷ついてなお、さらに傷つけてくる人がいる世界はとても危険な場所だと感じられます。


また、何と言っても本人の罪悪感を刺激するようなことを言われると
「自分への信頼感」が粉砕されてしまいます。
相手が言っていることにこそ真実があるように思えてしまうのです。



うつ病や摂食障害などの場合には病気になっているということくらいは
わかるかもしれませんがそれがトラウマに関連したものだとはなかなか気づかないことも多く「治りが悪い」ということになってしまいます。


また、病名はうつ病や摂食障害であっても
トラウマに特徴的な症状がいろいろと出てきます。



(対人関係療法でなおす トラウマ・PTSD 水島 広子 創元社)より





 











■「我慢できている自分」を感じさせてくれる相手



虐待されて育った女性はDV夫を選ぶことがよくある。
また、人から「必要としている」と言われないと、
ただそこにいるだけで自分が嫌われていると感じてしまうことがある。



普通の人が当たり前のように思っている善いことが彼女にとっては悪い事である。普通の人が
「なんでそんなバカなことやっているの!」と思う生き方が彼女にとっては善い生き方である。



こうした善宅が逆転した心理システムが出来上がってしまったのは
小さい頃から親に否定され、「悪」しか体験できなかった結果である。


(暴力を振るわれること、相手に従うこと、相手の理不尽さ、感じている辛さを「我慢」することが 被虐待者にとっては生きる指針である。その指針を達成するためには、自分を我慢させる相手が必要。だからDVをしてくれそうな男性を受け入れてしまう。我慢することが生きる指針である彼女は”我慢する自分”を感じさせてくれる相手を呼び込んでしまう。)




目の前にいる親は、暴力を振るい、ご飯も出してくれないことがある悪い親である。
でも、子どもはそれ以外の親を知らない。
自分が生き延びていくためには、その親に従うしかない。

人は誰でも生きていこうとする。
そのために必要な事をするのが「善」である。
だから、子どもにとっては目の前の「悪い親」に耐えることが「善」であり、
その逆に、耐えられずに逃げ出すことが「悪」ちなる。

悪に耐えることが「善」で、膳を求めるのが「悪」である。
こうして「普通の」人と善悪が逆転する。

善悪が逆転した心理システムに生きていると、悪に耐えていると心は安定し、善を求めると不安になる。







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